私にナイモノ
 
 
朝の光が 白んで見える
 
スー
 
??
自分ではない吐息に気付き ふと そちらに目をやると
愛しい人が 規則的な寝息をたてている
 
低血圧のため、いつも先に起きるのは剣心
私の寝顔を じっくり見て、私が起きるのを待っている
 
『よく 眠ってる』
 
昔からの習性のためか、剣心はなかなか熟睡することがなかった。
常に 気を張っているというか
 
そんな剣心が こうして私が起きたことも分からないで ぐっすり眠っているのが
なんだか、うれしくてたまらない。
 
『 まつげ長いなあ・・』
『 綺麗な髪 』
 
普段はできない 剣心観察を開始して 暫くたった頃
 
「・・ん 」
 
『あ・・起きちゃった?』
 
「薫? おはよう」
 
まだ寝ぼけているのか 普段は敬称をつけるのに
今朝は呼び捨て
 
そんな些細なことが 嬉しくて 私は愛しい恋人の胸に飛び込んだ
 
胸のなかの薫を剣心は 宝物を扱うように優しく、そしてしっかりと抱きしめた。
 
「今朝は、珍しいでござるな 薫殿のほうが先に起きてるなんて」
 
『あ・・戻っちゃった 残念・・』
 
「剣心を観察してたんだ」
「観察?」
 
「そう、女の人みたいに綺麗だなあって」
 
そういうと、剣心はがっくり頭をたれて
 
「それは 無いでござるよ・・」
と 情けない声をあげる
 
「ウソよ 嘘☆ 剣心の寝顔が 見れるのは私だけって思ったら
なんだか嬉しくなって、 見てたの」
「薫殿・・・」
 
「キャッ!」
気が付くと 剣心に更に強く抱きしめられ 頬擦り
 
ジョリジョリ
・ ・?
 
「剣心!痛いよお」
「おろ?」
 
「なんだか、ジョリジョリするう・・」
 
「おろろ すまんでござる 今朝はまだ 剃ってないでござる故」
「 ・・髭? 剣心が?」
「(照) 薫殿・・。拙者 男でござるよ?
それは、薫殿が一番知っているはずでござるが・・・」
 
「//何言ってるのよ!! 」
「おろ?」
 
「だって 剃ってる姿なんて 見たこと無いもん!」
「それは 薫殿が寝坊・・」(ボカッ)←殴
 
「おろ〜 」
 
「でも、なんか 新鮮☆ 私には無いから」
「薫殿にあって 拙者に無いものも たくさんあるでござるよ?」
 
「?? 例えば?」
「例えば・・・
拙者を魅了する 愛らしい笑顔とか」
 
「 (照) ・・・何言ってるのよ〜(小声)」
 
 
今日も 繰り返される ジャレアイ
 
 
★ あとがき
 
はじめてのキリリク
佐倉りく様のリクエストで、剣×薫 甘 恋人時代
との設定でしたが・・どうでしょうか・・・。
まだまだ 未熟者で期待にこたえられたでしょうか〜
お目汚しですいません!!